The Art of Learning

「それはちょうど、数学の勉強法を覚える代わりに、先生の机からテスト内容を盗み出す習慣を身につけようとすることに似ている。たとえテストでよい点が取れたとしても、何一つ学んではいないし、何よりも、学習の価値や美しさを味わって認識することが一切できない」(p.49)

上は何の話かというと、実はチェス。作者は「ボビーフィッシャーを探して」のモデルにもなったかつてのチェスの神童ジョッシュ・ウェイツキン。原書はThe Art of Learningで翻訳は「習得への情熱-チェスから武術へ-」みすず書房。

チェスも将棋も同じだが、勝ち負けだけにこだわると上記のカンニングに似たワナに陥る。簡単に勝つ方法だけにこだわり、弱い相手としか指さなくなる。勝てそうな相手だけと指し、負けそうな相手とは対戦を避ける。何かを学ぶことはなく、自分を高めることもできない。

対局のために準備をしたり、将棋の勉強という努力は放棄され、そこには精神的な向上もない。そうなると将棋は単なる暇つぶしになり、勝ち負けしか語られないものになってしまう。

負けることはくやしいが、努力していたプレイヤーなら敗戦から学べる。努力をしていないプレイヤーは負けても大したくやしさも感じないし、敗戦の苦痛も少ない。しかし、勝ったときの喜びも少ない。結局、将棋の楽しさも感じられない。

中四の大会に参加するメンバーはもうすぐ自分の心の強さを確認する機会が得られる。負けを恐れる必要はないし、勝ちに執着する必要もない。得がたい経験をすることの方が本当は価値があるのだから。

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